時給1020円の初老の旅路

初老のオヤジの人生徘徊記

実はパロマと後悔5

 まだ、聞いた話は続く。シルバー世代ばかり乗せたクルーズ船には、超大国の哀しみに包まれた街の話が伝わった。遊び呆けていた老人達は、部屋に籠り哀しみに暮れた。カジノやレストランの売り上げが落ちた支配人、老人達の部屋を個別訪問して、施設利用を促した。クルーズ船は瞬く間に涙の連絡船となり、母港の湊に引き返す事になった。事態に慌てたマスコミは大挙して、クルーズ船の帰港の取材、メディアによってその模様は全世界に、中継された。世界は哀しみの海に沈むのだった。ワイドショーではコメンテーターが、涙や唾を飛ばしつつ、侃侃諤諤、ウイルスは電波感染によって、世界中の視聴者へ。視聴率と感染率の相乗効果により、人類の危機は想像以上に広まる。お笑い番組は軒並み数字を落とし、お笑い芸人は失職し、葬儀屋はこの上ない好況、お笑いは落伍者になった。涙を拭うハンカチは品薄、鼻紙販売には長蛇の列。泣いてくれろよ、おとっつぁん!