時給1020円の初老の旅路

初老のオヤジの人生徘徊記

コロナと本当は後悔4

誰だかに聞いた話は続く。博士は嫁姑問題に悩んでいた。眼科医である夫は自分の研究に理解はあるが、姑は国家的研究より当家の後継問題を重視して、昼間の仕事よりも夜の営みに言及してくる。ある日、博士は長生きのクスリだと姑を騙し、ムササビウイルスの注射に成功する。感染した姑は涙が止まらなくなり、息子の眼科医を受診する。軽いアレルギーと判断した息子は薬を処方し、母に安静にするよう忠告。が、母親は近所の葬儀を三件梯子し、思う存分涙を流した。その後、街の人々は何故か哀しみに涙を流すヒトが急増。深い哀しみに包まれたその街は瞬く間に、パンデミック状態になっていった。感染者が死し、葬儀が行われて、人々が涙に暮れて、また、感染者、葬儀、涙、地獄へのスパイラルが起きたのである。政府は現地に慰安芸人をはけんし、雰囲気を明るくしようと躍起になるが事態は好転しない。博士は、スタッフと親近者にはワクチンを打つが。