時給1020円の初老の旅路

初老のオヤジの人生徘徊記

コロナと航海

 60代になったら、早く年金貰って、適当にバイトして、のんびり過ごしたいと朧気ながら考えていた。体力も気力も頭の方も大分くたびれて来たし、がっつく人生ももうやめだと意識していた。たまたま、職場の若い支店長とソリが合わず、仕事も楽しくなくなったので、ろうそくが消えるようにそっと退職した。ちょうど、中国の武漢でバタバタとひとが倒れてるころだ。ネットのニュースを見て、他国の話題と軽く見ていると間もなく、緊急事態宣言だ。何とか、200人規模の工場の製品出荷のバイトにはありついたが、世の中だんだん悪い方向に。眼ざとく公的な低利融資を受け、給付金を受け取ったものの、長いトンネルの中で、そんなものは生活費に消えた。不要不急の外出控えて、贅沢もしてないのに、乾いた生活にカネはすうっと吸い込まれて、同時に気力も、残業で稼げなくなったし、副業も大して美味しい思いも出来なくなった。まして、そんな航海が続くなんて。